顎関節症について

北村歯科 横浜市鶴見駅東口駅前

初歩の顎関節症治療


顎関節症の原因は現在諸説ありますが、以前は不正咬合が主なる原因とされてきましたが、現在ではそれ以外に歯軋り、噛みしめ癖、発育異常、奇形、偏側噛み、外傷、リューマチなどの原因が考えられますが、むしろ精神的あるいは身体いずれかのストレスが顎関節症の原因となったり、姿勢や睡眠障害、悪習癖(歯軋り、噛みしめ癖等)や精神的な影響が重要視されています。また顎関節症は10代後半から20代の女性に多く見られます。顎関節の症状として・・・

三大症状
1.口を開けると痛いみがある(開口痛)
2.口を開けると関節で音がする(開口音)
3.口が開かない 、あけずらい(開口障害)
 
が主なる症状です。

しかしながら関節音、開口音に関しては、治りづらい一方、本人が気にしないのであれば特に問題は無いとされています。以前は原因として、ほとんどが不正咬合だと考えられていた為に、大半は歯を削って調整したり、スプリント(マウスピースの様なもの)で顎の位置を変化させたり、また欠損した部分を埋め合わすなどの治療が主体でしたが、このような処置は不可逆的処置(元には戻せない処置)であるので、多くの原因が考えられ、その原因も特定出来ない場合には行うべきではないと筆者は考えています。

また、最近のデータでは不正咬合でなくとも、顎関節症を発症する場合とある程度良いかみ合わせにもかかわらす発症する場合も多く不正咬合が主因であるいった従来の考えは否定されつつあります。原因が特定出来ないために、治療法も多くの方法が考えられますが、歯科医師により治療方法がさまざまであるのが現状です。


筆者の場合は、歯科的な治療以前に手技療法を用いて顎関節症の治療を行っておりますが、最初のポイントは立位のまま、背筋の曲がり方、頭の傾き、方の下がり、ずれ、足先の開きを視診した後、臥位にて、首の曲がり、体の湾曲を視診します。

視診の後、実際に顎を開口、閉口をさせて、三大症状を確認します。その際に外耳やや前に手のひらを当て、下顎関節頭の動きも触診します。その際に、開口時に左右どちらかが一方が関節からはずれ、横方向に脱臼していることが確認できれば、その後の治療の指針となります。

(月刊 手技療法2002年9月号 掲載文)



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